先輩の声
編集局 県北総局(肩書は2022年3月現在)
以前は複数の県をまたがり発行する新聞社で記者をしていましたが、より地域に密着した働き方を目指し転職しました。大阪出身のため関西エリアの県紙を探していたところ、普及率が群を抜いて高い徳島新聞が目にとまりました。県内シェアのほとんどを占める新聞の記事を書き、県民の「知る権利」に答えることはやりがいが大きいだろうと思ったことが、入社を決めた最も大きな理由です。縁もゆかりもない徳島で不安もありましたが、前編集局長をはじめ県外出身者も多く、全く問題ありませんでした。
入社してから現在までの2年間、県北総局板野オフィスに泊まり込みで働いています。担当エリアは徳島市や鳴門市のベッドタウンである藍住・板野・上板の3町。取材相手は町長や町議から地元の農家まで、多岐にわたります。大阪市や高松市など大都市を担当する新聞記者は何人もいますが、藍住や板野を担当するのは世界で徳島新聞板野オフィスの記者のみ。プレッシャーが大きい反面、大きな記事を書けたときの喜びはひとしおです。わからないことがあれば本社のデスクや近隣支局の先輩が親身に相談に乗ってくれるため、不安なく働けています。
読者の視点を忘れないことです。取材をしているとつい、相手の言い分ばかりを紙面に載せてしまうことがあります。取材相手からの「ありがとう」はやりがいの一つですが、結果として読者が本当にほしい情報とはかけ離れてしまうこともしばしば。自分が誰のために記事を書いているのかは忘れないよう心がけています。
たった4カ月の間に、自分が担当する町の町長選が3つ続いたことです。選挙になると立候補予定者の特定から町の課題を示す連載、各陣営の選挙運動の様子など、さまざまな記事が必要になります。読者が投票先を決める判断材料の一つとなるためやりがいが大きいですが、立候補者からの陣営から苦情が入ることも多々あり、精神的に弱ってしまう時期もありました。周囲の先輩から声をかけてもらったり、読者から届いた激励の手紙を読んだりし、なんとか乗り越えることができました。地方支局最大の仕事の一つである選挙取材を短い期間に3回もできたことは、自分にとって大きな財産です。
徳島のほとんどの自治体では、常駐する記者は徳島新聞の記者のみ。私たちが取材する記事のほとんどが独自記事です。田舎の取材はやりがいが小さいと不安に思う方もいるかもしれませんが、特ダネを毎日書く感覚は地方紙でしか味わえません。徳島という舞台で、一緒にワクワクする日々を過ごしましょう。
7:30
オフィスの奥にある居宅スペースで起床
9:00
各紙の朝刊に目を通す
10:00
町役場で町長に面会。今後の町政の展望について尋ねる
12:00
昼食
14:00
近所のお寺で取材。遍路増加に向けた新しい取り組みについて聞く。
16:00
記事執筆
17:00
デスクから手直しされた原稿を確認
18:00
退勤
18:30
近隣支局の先輩と食事
20:00
本社から送られてくる翌日の地方面の刷りをスマホで確認
23:00
就寝
COMMENT
取材相手の都合など自分では変えられない要因でスケジュールが決まるため、日によって過ごし方はまちまちです。連載など大きな仕事があるときはつい不規則な生活を送りがちですが、体を壊してしまっては意味がありません。どんなに忙しくても食事と睡眠、そして友人との食事などリラックスする時間は確保するようにしています。